こんにちは☆
恋愛・心理カウンセラーの tama です(^ ^)
【カウンセリングの実際】心の病気と不眠症を乗り越える
シリーズ3回目となります。
まだ読んでいないかたは是非以下をチェックしてみてくださいね。
⇒心の病気と不眠症を乗り越える (1/4)
心の病気と不眠症を乗り越える (2/4)
※この話はNature時代にHPに記載した内容を再度アップしています
あーちゃんの特徴
いろいろお話を聞いていくととあーちゃんには、以下のような特徴が見えてきました。
- 自立的であること
- 責任感が強く、我慢強いこと
- 頭がとてもよいこと。回転も早いこと
- とてもやさしいこと
- 感受性が強いこと
- 素直で、かわいらしいこと
- アーティスティックな面があること
感受性の強い方は、繊細で傷付きやすいという特徴があります。
加えて、周りの考えや感情が見えすぎてしまうので、相手が望むものを瞬時に察してしまいます。
なので、自分の気持ちよりも相手が望む自分を無意識に演じてしまったりするので、自分を見失いがちになったりします。。
あーちゃんももれなくその特徴がありました。
繊細で傷付きやすいということは、傷付くことをひどく恐れるため、傷付かないためのルールを作りだします。
自分の本当の感情を出した時に、相手がそれを受け取ってくれなかったり期待通りの反応が返ってこなかった場合、ひどく傷付いてしまうのです。なので、
もう2度と傷付きたくない
と感じたときに、もう誰にも本音なんて話すもんかと心の壁を厚くしてしまいます。
(これは誰もが無意識にやっていることでもあります)
この心の壁は自分を守ってくれますが、その壁が厚くなりすぎると、孤独感も感じやすくなってしまうのです。
「誰も本当の自分をわかってくれる人はいない」と。
嘘の自分から本来の自分へ戻る
また、あーちゃんはとても自立的な方でした。
自立的な方は、誰かに頼るということができません。
なかなか自分の弱さを周りに見せられないのです。
あーちゃんは、仲の良い友達にも悩みを打ち明けることはできずにいました。
そして、周りにはまるで全く問題がないように見せていたんです。
というのも、「本音を言ったのに誰も信じてくれなかった」という経験があったため、もう傷付かないために、あーちゃんは
本音を伝えてもムダならもう言わない
という独自ルールを作るようになったんですね。
そして、いつしか自分の本音を殺し、周りに合わせて、「相手の望む自分を演じる」ようになっていきました。
すると、だんだん、あーちゃんの中で、
嘘の自分を演じている
↓
嘘の自分を周りは信じる
↓
誰も本当の自分を見てくれていない
↓
周りを信用できない
という図式が出来上がっていきました。
(ただ、あーちゃんの演技はとても上手なので、普通の人が騙されしまうのもしょうがないのかもしれません)
人を信用できないから、嘘の自分で固める
ことで自分が傷付くことは減りますが、親密感や人とのつながりまでも感じられなくなってしまうんです。
これによって、ますます孤独感を強めていきました。
そのため、あーちゃんはいつも心が死んだような感覚や、まるで自分がないような感覚を持っていました。また、
今の自分が大嫌いだから、誰も自分を知らない土地に行って、1からやり直したい
とよく言っていました。
だけれど、私に話しを聞いてもらうことで、今まで誰にも話さなかった素直な気持ちを話していくうちに感情が整理され、だんだんとあーちゃん自身の心がとてもオープンになってきました。
『信頼できる人もいる』
『本当の気持ちをわかってくれる人がいる』
『素直に表現してもいい』
という経験はあーちゃんにとって、大きな経験だったようです。
すると、「嘘で固めた偽り自分」から「本当の自分」を取り戻していきました。
そして、少しずつ本当の自分で接する人が増え、だんだんと『人とのつながり』が感じられるようになっていくと、「人を信用できない」という気持ちも薄れてきました。
人が嫌いということは?
だけれど、話を聞き始めて10か月くらい経ってきたときに、あーちゃんが突然言いました。
「私、考えたんですけれどやっぱり人が嫌いなんです」
それは、メンタルクリニックで有料カウンセリングをしてきた直後の話でした。
「カウンセラーさんは質問してもニコニコしているだけで何も言ってくれなくて、お医者さんがまだ様子見で受けた方がいいっていうから受けているけれど、これに意味があるのかわからない」
そこは傾聴主体のカウンセリングであり、本人が話をする中で気づきをうながしていくというスタンスだったので、何も解説してくれないカウンセラーに対して、あーちゃんは少しイラついていました。
あーちゃんが効率が悪いことが嫌いなので、お金をかけて意味がないと思うことがするのが嫌なんですね。
また、あーちゃんは人間観察が趣味でもあったため、人をよく見てる人でした。
なので、こんなことを伝えました。
「人が嫌いという人は、まず人が嫌いということさえ言わないよ。まず人と関わろうとはしないし、たいして人に興味がないから、人に対して何にも思わないんよ。だから、あーちゃんは、本当は人が好きなはずだよ」
あーちゃんはハッとなって
「そっか! 本当は私、人が好きなんだ!」
と、本当の気持ちに気付くことができました。
なぜ人を信じられないのか
あーちゃんは「人を信用できない」と言っていましたが、実はこれは心理学用語でいうと「投影」なんです。
あーちゃんは「本当の気持ち」を周りに見せていませんでした。
いつも演技をして、相手の望む自分を演じていました。
「自分はいつも演技をしており、本当の自分をみせていない」
ということは、投影が起こって、「相手も演技をしているかもしれない」⇒「相手を信用できない」ということになるんですね。
本当の自分で接していないので、そこで出来上がる人間関係はとても薄っぺらいものになります、
なので、私があーちゃんに伝えていたのは、『人は鏡でしかない』ということです。
素直に気持ちを表現すれば、相手もそれに呼応して素直に返してくれます。
ひねくれた気持ちを表現すれば、相手もそれに感づいて、ひねくれた気持ちを返します。なので、
『素直に表現すること』が一番大事だよ
と、ずっと、あーちゃんに伝えてきました。
というより、私自身があーちゃんに体現していました。
私があーちゃんにしてきたのは、話を聞いて客観的な目線から「素直に思ったこと、感じたことをいうこと」でした。
あーちゃん自身がとても賢くて人の気持ちがわかる人なので、私が「素直に伝えている」ということもわかってくれて、「この人には素直に何でも言っていいんだ」と思ってくれたのでした(自慢のように聞こえたらすみません・・)。
また、あーちゃんの話を聞いた私の見解が、あーちゃんの見解と一致していたことも、私を信頼してくれた大きな要因でした。
大きな変化の訪れ
あーちゃんの話を聞き始めて1年後、あーちゃんは「カードゲーム」をはじめるようになりました。
「カードゲーム」にいる人たちは、思ったことをそのまま言うような人たちでした。
なので、ここでは自分も思ったことを素直に言ってもいいんだと思ったそうです。
その仲間に対しては、とても素直に自分を表現できるようになり、楽な人間関係を築けるようになったんですね。
カードゲーム仲間で集まったときの様子を話しているあーちゃんを見ていると、そこに行くことはすごく楽しいんだろうなと伝わってきました。
また、昔からの友達に対しても素直な気持ちを言えるようになったので、苦痛に感じることも少なくなったようです。