こんにちは☆
恋愛・心理カウンセラーの tama です(^ ^)
【カウンセリングの実際】心の病気と不眠症を乗り越える
についてお話します。
心の病気と不眠症は例題として少し重いかな?
とも思いますが、この二つで悩んでいる方も多いので、時間をかけて丁寧にお話ししていきますね。
※この話はNature時代にHPに記載した内容を再度アップしています
プロローグ
「実はある心の病気なんです」
バドミントンのサークル仲間である「あーちゃん」が、はじめて打ち明けてくれたのは、バドミントンの練習後にみんなで一緒にごはんを食べていた時でした。
※私は趣味でバドミントンをしています
その時、私はちょうど心理カウンセラー養成コースに通い始め、初級が半分くらい終わった頃でした。
その時、バド仲間が他に2人いましたが、2人は別の話に夢中になっていたので、こちらの話など全く聞いていませんでした。
「ええと、、うーん・・」
あーちゃんが自分のことをお話してくれたとき、たびたびこちらを窺いながら
こんなことを話してもいいのだろうか…?
というオーラを全身から出し、ものすごく歯切れの悪い話し方をしていました。
もちろん、デリケートな話なので、ためらうのは普通の反応だと思います。
しかし、それ以上にあーちゃんは、いつも自分のことより人のことを優先していて、友達と会っても自分の話はせず、いつも誰かの聞き役になっていたので、今まで、
『悩みを誰かに話す』
という経験が無かったようでした。
家族やお医者さん、小さい頃からの親友以外に自分の病気のことを話すのは初めてだと言っていました。
そのため、その頃のあーちゃんは「自分のことを話す」のにとても抵抗を持っていたんですね。
あーちゃんは私が心理カウンセラー養成コースに通っていることを知っていたのと、私が他の子の恋愛相談によくのっており、その場にあーちゃんがよく一緒にいたので、私が相談を受けている様子を見ていたんですね。
その2つから、この人になら打ち明けても良いかと思ってくれたそうです。
あーちゃんが抱えていた問題
あーちゃんの話を聞いていくと、現在抱えている問題は大きく分けて以下の4つでした。
・小学校高学年から「心の病気」を発症したこと
・夜、全く眠れないこと。昼間にすごく眠くなってしまうこと。
・人を信じられないこと
・人が多い場所に行けない、都会なんてもってのほか
・男性が怖い
これらの問題を抱えながら、あーちゃんは家族や親友以外にはそんなそぶりを一切見せていませんでした。
どこからどう見ても普通の元気な女の子、というようにしか見えませんでしたし、本人もそう見えるよう相当神経を使っていました。
バドミントンサークルの中でも、ノリの良い誰にでも合わせられる元気な女の子、というのが私のあーちゃんに対する印象でした。
それは「女優だね」と言えるくらい完璧な演技をいつもしてたんですね。
それを見たとき、周りに心配かけないよう辛さや弱さを見せず、頑張って生きてきたんだなぁと思ったと同時に、その辛さがわかり、なんだか切なくなってしまいました。
それは、幼い頃から自立して生きてきた一人の女性のストーリーでした。
現在では、不眠症も治って普通に眠れるようにもなり、また、心の病気も完治し元気に生活しています。
また、人に対しての信頼感も出てきて、男性に対する恐怖心も和らぎ、年下のイケメン彼氏ができたりもしました。
ですが、そうなるまでには1年半という道のりがありました。
その過程をひとつひとつ丁寧にお話していきます。
病気の発症の経緯
あーちゃんは、小学校の高学年の頃、授業中にいきなり「強烈な恐怖感や不快感、動悸」などに襲われたそうです。
そのときは、自分の手を爪痕ができるほど強くグッと握って、痛みでなんとかその場をこらえたそうです。
そして、そのことは家族にも言わず、同じことが起こってもずっとその方法で耐えてきた、と話してくれました。
小学生の女の子がそれを一人でずっと我慢していたことにビックリもしましたし、同時にその辛さがなんだか想像できてしまい、
一人でずっと頑張ってきたんだろうな・・
と思いました。
中学校になって一端その症状は起きなくなったのですが、高校生になってから学校の人間関係の悩みがキッカケでまた症状が出るようになってしまったそうです。
同時に、夜も眠れなくなってしまったようで、いよいよ一人では抱えきれないと思ったときに、初めて両親にそのことを打ち明けたそうです。
心配したお母さんに引きずられるようにして病院に連れて行かれ、そこではじめて自分は「心の病気」(※病名はあえて伏せます)だということを知ったそうです。
カウンセリングを受けたことや強い薬の効果があったせいか、大学2年生くらいの頃には眠れるようになってきたそうなのですが、就職して数カ月後、職場でまた同じようにその症状が起こってしまったそうです。
それと同時に、また眠れない日々との戦いがはじまりました。
大学生のときは夜眠れなくても、授業中の昼間に眠れていたのでよかったそうなのですが(薬を飲むと眠くなるようです)、社会人になると仕事中に寝るわけにもいかず、なかなか睡眠が取れない状況だったそうです。
また、職場にはあーちゃんが「心の病気」であることを知っている人がおらず、頼れる人もいなかったようです。
なので、仕事中にその症状が起こっても、小さい頃のように、またグッと手を握りしめて痛みを感じることで、なんとかこらえていたようです。
夜はベッドに入っても全く寝つけず、寝返りを打つばかりの毎日・・
気晴らしに携帯でサイトなどを見ていればふっと眠りに落ちる時がくるけれど、ハッと気付いて時計を見ると5分くらいしか経っていない・・
という日々がもう半年も続いていたそうです。眠れないことであーちゃんの身体には
・にきびが多い
・どんなに暑い状況でも汗が出ないからいつも火照っている状態
・生理周期が不安定
など、さまざまな症状がでていました。
眠れていないため、ホルモンバランスが崩れていたんだと思います。
怒りを吐き出す ~我慢をやめて楽になるために~
話を聞いていた最初の頃、あーちゃんの心には強い『怒り』の感情がありました。
というのも、同じ職場にいわゆるお局様が2人いて、その2人はあまり仕事をせずあーちゃんに回すという、ある種のパワハラを受けていました。
また、遠まわしに嫌味や妬みを言われたり、ということも多かったようです。
というのも、あーちゃんはとても頭の回転が速く、そして、他の人よりも能力も高いので、それまでできなかったことも、すぐに人並以上にできてしまう女性でした。
なので、仕事で苦手なことを嫌味ったらしく指摘されても、すぐになんとかできてしまえるため、お局さま方から見れば
かわいくない子
と映ったのかもしれません。
加えて、理不尽なことを上司から言われたりすることも多く、それに対する反発心や怒りの気持ちがあーちゃんの中にずっと溜め込まれていました。
あーちゃんは、今まで怒りを覚えてもそれを誰かにぶつけることはなく、グッと抑えることが昔からのパターンとしてあったようです。
怒りというのは感情です。
感情は、嬉しさ、楽しさ、寂しさ、悲しさなど、さまざまな他の感情を一緒にした一つの大きなエネルギーでもあるので、怒りを抑えようとすると、他の感情まで抑えるということにもなります。
あーちゃんの中には、
マグマのような怒りのエネルギー
が自分の中にあることを、心のどこかで自覚していたようです。
だけれど、その怒りを相手にぶつけたら傷つけてしまう・・ということをひどく恐れていました。
あーちゃんは、そのマグマをずっと噴火させないように、マグマよりも大きいエネルギーでその怒りを抑えていたので、心には相当な負荷がかかっていたと思います。
怒りを抑えれば他の感情までも感じないようになってしまうため、人生自体がとてもつまらなく、「自分はずっとこのままなんだ・・」とある種、あきらめの境地に達していました。
そのため、あーちゃんの心の中には、「寝ると明日が来てしまう。だから、寝たくない」という強い抵抗感がありました。
未来に対する漠然な不安や心のストレス・・
それが不眠症につながっていたのです。
また、あーちゃんは誰かが傷付くくらいなら、自分が傷付いた方がいいと思うくらいとてもやさしい方でした。
だけれど、傷付くとやっぱり心は痛いわけですから、
「やっぱり、あの時、ああ言えば良かった・・」
「こう言い返していれば・・」
といった後悔や悔しさ、うまく対応できずにいた自分を責めてしまったりと、さまざまな感情が出てきます。
そういう気持ちを誰かに話せればよいのですが、あーちゃんは
「人を信用できない」
といった問題も背景にあったため、自分の感じた素直な気持ちを誰かに話すということができませんでした。
感情は感じてあげれば、解放されます。だけれど、あーちゃんのように我慢して抑圧してしまうと、
行き場のなくなった想い(感情)
は、やがて私たちを蝕んでいき、それが溜まっていくと身体に何らかの症状がでてきます。
また、現実的に何かしらの問題となって表れてきます。
あーちゃんの場合は、不眠症や心の病気という形で出ていました。
因みに、あーちゃんのように自立的な方ほど誰かを頼ることができず、悩みを一人で抱えてしまいがちです。
自立的な分、誰かに頼られることも多く、人の話を聞いてあげる側になりがちなので、誰かに相談することが難しくなったりします。
でも、本当は知らないうちに我慢しているだけで、いっぱい話を聞いてほしかったり、理解して欲しい気持ちがあるんですね。
なので、まずは、今までずっとあーちゃんが感じていた気持ちを素直に表現して吐き出してもらうことをメインに進めていきました。
最初は職場のお局様たちや上司に対する怒りをいっぱい吐き出してもらいました。
それが一段落すると、今度は時間をかけて、あーちゃんの今まで生きてきた20数年間の歴史を教えてもらいました。
幼稚園時代、小学校低学年時代、小学校高学年時代、中学校時代、高校時代、大学時代に分けて、それぞれどんな様子だったか話してもらいました。
なぜこんなに細かく話してもらうかというと、あーちゃんは感情を抑圧するパターンがあったため、いつから抑圧するようになったかを知りたかったんですね。
また、昔の話をするということは、その時感じていた感情を再び感じるキッカケにもなります。
つまり、話をするだけで感情を解放することができるんですね。
また、大人になったあーちゃんの視点から、昔の出来事を見ることで、新たな気付きを得ることができます。
というのも、子どもの頃は思考が発達していないため感情でしか物を見れません。
そこには誤解がいっぱい生まれます。
だけれど、大人の視点から同じ物ごとを見れば、
あの出来事は実はこういうことだったんだ!
という気付きが得られるのです。
実際に、あーちゃんも自分自身の過去を紐解いていくことで気付きがいっぱいありました。
そして、小学校~大学時代のそれぞれの時代の中で、目をそむけていて感じていなかったさまざまな感情が自分の中にあったことに気付いていきました。
怒り、辛さ、みじめさ、悔しさ、悲しさ、寂しさ・・さまざまな感情が出てきました。それは、ずっと解放されずにあーちゃんの中にあったものでした。
解放されていく感情と変化の兆し
あーちゃんから時間をかけてその時の気持ちを聞いていくと、だんだんとあーちゃん自身に変化が起こってきました。
5、6分だった睡眠時間が、30分、1時間、2~3時間と少しずつですが、徐々にのびていったんです
また、3回目くらいのカウンセリング後、ストレスフルだった職場を辞めると決心し、実際に辞められたことも眠れるようになった要因ではあると思います。
心の病気は劇的に治る、ということはあまりありません。変化は徐々に起こってきます。それは、まるで螺旋階段を上っているようなイメージです。
前と同じ位置に来たとき、下を見ると前の景色と同じものを見てるように感じますが、確実に上にあがっているんです。
変化のまっただ中にいるときは、変化していることさえ気付きませんが大分後になって、
変わった!
ということに気付くことが多いのです。
あーちゃんの場合も、1年前と比べると本人がビックリするくらい変わっていました。